miga-town78’s blog

急行のとまる街

急行のとまる街1978 -7  JAZZ _ SATIN DOLL

~  Brooks Brothers (New York) の赤いセーター  ~

銀座サテンドールは、サテンドールが発祥地・神戸から東京へ移って数年間、銀座6丁目(?)で営業していたライブハウスだ。その後1985年頃に現在の六本木へ移転。

サテンドールのオーナー・井上社長と歌手マリーンの対談記事を、お店のサイトで見た。マリーンが19歳で来日し、銀座サテンドールでJAZZを唄っていた頃の話で、当時の店内の様子が語られている。

銀座サテンドールには、1983年頃に何度か通っていたが、“少し懐かしい想い出”  がある。このサイトの記事を見て懐かしさのあまり、六本木へ移る前のお店のあった場所を、わざわざ探しに出かけてきた。

新橋駅・銀座口から、銀座グランドホテル(以前の三井アーバンホテル)の前を通り、8丁目の銀座博品館劇場の角から中央通りに入り、6丁目界隈をめざす。日が落ちて、そろそろ「綺麗どころ」の出勤前の時間帯。昔と変わらない銀座独特の華やかな雰囲気だ。

記憶をたどり、7丁目交差点にある資生堂ギャラリー(当時の資生堂パーラー)の角を左に入り、銀座サテンドールのあった場所・ビルを探してみるが、記憶が定かでない。通りに面したお店のマネージャーらしき年配者に聞くと、少し先の6丁目の交詢社ビルの辺りではないか、とのこと。交詢社のビルも新しくなり、この辺りも以前とはかなり変わったのであろう。サテンドールのあった場所は分からずじまいだった。 

わざわざ銀座まで来たついで。銀座4丁目交差点から数寄屋橋を通り、日比谷をめざす。

かつて日活の本社があったビルの場所には、有名ホテル「ペニンシュラ東京」がある。 ~ 通りをはさんだ向いのカフェで、このブログ原稿を書いている。~

 ところで1983年といえば、東京D/Lが開業し、アメリカ東海岸の都市へ直行便が開通した年である。この年、幸運にも友人と2人で7月中旬、ワシントン、ニューヨークへ旅行する機会を得た。ニューヨークの空港から乗り継ぎ、最初に友人の親戚の待つワシントンへ向かった。

ワシントンでは友人家族のアテンドを得て、ホワイトハウスペンタゴンやアーリントン墓地などを観た。スミソニアン博物館のスケールには圧倒された。

ワシントンの後はニューヨークで3泊。JAZZのメッカ、グリニッジ・ヴィレッジにある憧れのライブハウス「 Village Vanguard 」に2晩通った。アーティストや曲は全く記憶にない。その場所へ2晩通ったこと自体に、特別な気持の高ぶりを感じていたことだろう。

そして、少し懐かしい想い出 ” とは、

ミッドタウンの5番街。“ ここが、カポーティ の小説「ティファニーで朝食を」( Breakfast at Tiffany's)に登場する有名な宝石店「Tiffany」か ”と感激した。20歳の頃、オードリー・ヘップバーン主演の映画を先に観たあと、夢中で小説を読んだはずだ。今、ネット上で建物の構えを見ると、その時の記憶が蘇ってくる。

そして、「Tiffany」から少し南へ下った所にある有名な服飾店「 Brooks Brothers 」で、想い出の赤いセーター を買ったことだ。

もちろん旅行から帰ってすぐに、このセーターをサテンドールで出逢った女の人に渡した。この赤いセーターに込めた想いは、成就することはなかった。